tanonteer.taigart.com : 2015年10月


オヒサシブリネ

2015年10月18日


前回のブログからしばらく経ちました。
その後も気まぐれで何度か出動したのですが、結局掲載せぬまま3年も過ぎてしまいました。

さてさて今回は久しぶりにタノンティア行って来ました。場所は常総市の水海道。先日の鬼怒川堤防決壊の現場付近です。

つい先日、タノンティアカーが玉突き事故に遭い廃車となってしまったため、代替になった2号機で出動しようかと思っていましたが、荷物は積めども燃費が悪すぎるので今回は保留。代わって一緒にタノンティアに出てくれるJNくんの燃費30km前後(!)で出動です。JNくんはこれまでも常総の現場に出ていてその様子はサテライトにも掲載されています。

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ボランティアセンターのある常総市シルバー人材センター本所までは、うちから高速道路を使っておよそ50km。休日とあって1時間かからないです。3年も経てば老化も進んでいます。頻尿の年頃の我々は途中SAでトイレ行ったり、コンビニでお弁当を購入したりしながらのんびり向かいました。

ボランティアセンターに着いて早々、手続きを始めます。なんだか懐かしい感覚です。
センターでは社会福祉協議会のボランティア保険にも加入できます。新規と継続の列に分けられ、スムーズに手続きが行えます。思ったより人はいません。

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手続きを終えると待機。移動用の車両提供をする我々は待たされます。そして待たされます。そして待たされ...。

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後から思ったのですが、たぶん当日のニーズ確認の電話を、始業の9:00から行っているのでしょう。その後、人数の割り振りを行っているので8:30頃から集まっているボランティアは放置プレイの感覚を味わいます

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待っている間に、地元の中学生への応援メッセージに応えるJNくん。

ようやく名前を呼び出され、僕らに2人を加勢し4名のグループです。なぜか僕がリーダーをやることになり、ニーズ表をポイッと渡されます。あぁニーズ表...懐かしい。ニーズ表は心得や説明など丁寧にホチキスで留めてあり、フォルダに1つにまとめられています。「読めば分かるでしょ」という感じでしょうか、内容や流れについてはあまり説明がありません。

ニーズ表を元に、必要な道具をピックアップしていざ出動です。もう10時近いです。

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向かった現場は個人宅。庭師だというご主人が一人で片付けをしてきたそうです。2階で一旦は暮らそうとしたものの、0歳の赤ちゃんが喘息の症状が出てしまったため、奥さんと奥さんの実家で暮らしているとのこと。もっと早くに応援要請すればいいのに、と言ったのですが、被災当初は一旦断られてしまい、今に至ったそうです。

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浸水は1階天井付近まできていたそうです。1階の床板は剥がされ石灰も撒かれています。全て一人で行ったというので、たぶん自腹で出費。ボランティアに任せてくれれば...。

今日の僕らのミッションは庭の片付けです。大きな瓦礫などはなく、溜まった泥土を土嚢袋に入れて片付けるだけです。土嚢袋の口を縛る手さばきは体が覚えているものですね。
東日本大震災以降の教訓をもとに製品化された便利な土嚢詰めグッズもあったりして、KAIZEN日本人のポテンシャルの高さを感じました。

被災者の人は良く喋ります。喋りたがります。被災者の話に耳を傾けてあげるというのは、やっぱり最も重要なことの1つです。被災以前に亡くなっていた両親が、自分が家を離れて暮らしている間に、中古で買って残していってくれた家。守らなければ、なりません。

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植木の根っこと格闘しながらも、あっという間にお昼の時間。お弁当を食べて午後の作業再開するも、敷地も広くは無いので午後も小一時間で作業終了。ちょっと物足りなさも感じますが、既に筋肉痛です。

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久しぶりに作ったタノミッド・ミニ。土嚢袋90枚程度です。
道幅狭く家の前には積めないので、ご主人の希望通り庭の隅に積み上げました。
作業前に近所の人に土嚢の積む場所を相談したところヒステリックな対応されましたが、そんなことすら懐かしい。穏便にやり過ごすスキルも健在です。

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JNくんはマスターの域です。散らかった玄関先の掃除も怠りません。

ボラセンスタッフからは僕に何ら説明が無かったのですが、役所に連絡して回収に来てもらうこと、その時にまた必要であればボランティアのニーズを出したらいいこと、をご主人に説明してあげます。それにしてもフォルダをポイッと渡して現場任せなら、慣れないボランティアの人はそんなことも分からない。せめて流れをボラセンスタッフが説明しておいてあげないと...。

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作業終了はまだ午後1時半。ボラセンに電話をかけて、他の現場へヘルプに行けることを伝えたましたが、センターに戻って来るように指示されます。どうやらもう今日は向かうべき現場が無いようです。

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センターに戻り、報告書を作成して提出。道具洗いや消毒が徹底されているのはイイですね。

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まず洗剤で長靴を洗います。

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続いてそのまま消毒液へジャブン。
係のおばちゃんからは「プール入る前みたいでしょ?」と言われながら次の行程へ。

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石鹸で手を洗います。

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最後はうがい。係のおばちゃんから「ハイ、これでうがいして」とイソジンの入った紙コップを手渡されると熟女系マッサージ店に来た気持ちになります。ある意味ご褒美です。

あまりにも早く終わってしまったので、およそ1ヶ月経った堤防決壊場所あたりまで行って見ることにしました。

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決壊場所は既に修繕され堤防が造られています。

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話題になった白い家や電柱もそのまま...。

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シルバーウィークにも結構ボランティア入ったとかききましたが

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もう1ヶ月経つんですよね?

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田んぼに流れ着いて散乱した無数の瓦礫とは裏腹に、なんかボラセンの雰囲気はゆったりしてたなぁ。

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被災の痕跡で「イイ」写真を撮ることに夢中な老人の先生と生徒。立派な一眼レフを数台抱えて「そっちからだと影がかぶっちゃうので...」「生活の雰囲気を...」という声が漏れ聞こえてきました。

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火事場泥棒も健在です。軽トラやレンタカーの荷台にお金になりそうな瓦礫を積んで、ウロウロ物色している車が複数見受けられます。

常総は東京から思っていたより近い印象。申請すれば高速代も無料になります。
ボラセンは良い意味と悪い意味でシステム化されていました。システム化されると合理的でスムーズに行える反面、融通聴かせられない部分(人たち)ができるのが難点ですね。ボランティアしたい人がいても、ニーズの吸い上げ方や割り振り方があまりうまいこと行っていない気がする。

色々思うこともありましたが、ともあれ体を動かすのは気持ちが良い。また時間見つけて行ってみよう。空いた土日はTANOTENASHIもあるので時間作れるかなぁ。

Posted taiga : 23:25 | Permalink | Comment (0)

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