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2011年06月01日


テレビにかぶりつきながら引きこもり、不安で情報に押しつぶされそうな全国のみなさん、こんばんは。タノンティアは今日も石巻です。ある意味、被災地はすこぶる平和です。運動不足でしょうから是非とも体を動かしにお越し下さい。

今日の道は行きも帰りもとても空いていた。6月に入った、というなんとなしの節目でいろいろと現場に向かう車も少なくなったに違いない。少しづつだが状況も良くなっているので緊急の車も少なくなっているのだろう。

さて今日のタノンティアカー同乗者は昨日甲府から再ログインした市川さんのみ。やっぱり平日はなかなか時間が取れない人が多い。まぁ当たり前と言えば当たり前だからしょうがない。アナタのぶんまで働きますよ。

現場の作業は床を剥がした後の床下の泥とヘドロの掻き出し。一番最初の頃に入った現場もこの築山エリア。だいぶかわったなー。

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前回もそうでしたが、作業内容は瓦礫の撤去から床下の泥の掻きだしへと推移しているようです。もっとも間もなく3ヶ月経ち、行政の区画整理案が出てきたり、ゆっくりと今後の方針を考えた上で放棄する人も出てきたというところでしょう。実際、瓦礫撤去要請キャンセルもたくさんニーズにあがってきています。一時的に住むためや貴重品救出のための依頼ではなく、家を再生しようとする人たちの要請が多いのかも知れません。保険金の具体的な支給額が出始めたこともあるでしょう。今日のお宅にも業者が来て見積もりをしていました。

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歪んだ家では建具が外れないこともよくあることです。幸いにものこぎり持参者がいたので事なきを得ました。グッジョブ。

今日の現場は8名。僕ら2人を除いて全員初ボランティア。南は北九州から来た新婚カップル、徳島からは定年退職後のご夫婦、東京からT美出身空間デザイナーとそのお友達のお豆屋さん。
新婚カップルは何と車で福岡からハネムーンの最中旅行とのこと。今日で旅行約3週間目だけれどこのまま北上して北海道まで目指すらしいです。いいねぇ。お店を開くつもりでカフェのリサーチ旅行も兼ねているとのことですが、開店の暁にはいつか必ず訪ねよう。

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ボランティアではいろんな人達との出会いも醍醐味。普通に暮らしていたら全く出会わない人たちも沢山いる。いろんな環境の話が聞けたりします。現場即席チームは久しぶりだったけれど、今日のチームはみんな明るくてとても良かった。お昼休みも和気藹々。

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女豹のポーズで作業です。

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たまには真面目な僕の作業写真も。ウ○コじゃないよ、ヘドロだよ。

何というか、「泥かきシーズン到来!」と言った感じです。もうちょっとユルイと作業は難航、どこまでが地面でどこまでが泥かわからないし、もうちょっと乾いてしまうとサラサラでボロボロで作業ができない。生チョコのような柔らかさの、ひび割れた粘土な感じがとても作業を進めやすい。ホント、彫刻で使う水粘土みたいで懐かしい気持ちになった。彫刻作ってたんだよねぇ...。

こういった作業現場に向かうときには
 土嚢袋、バケツ、スコップ(小)、ショベル(小)、ちりとり、ほうき、ジョレンやジョレンに似た柄の長い床下から泥を掻き出す道具、バール、一輪車
などがあると良いでしょう。釘抜きもついでにできたらいいのでバールも何本か。

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床板を剥がした後にはサビた釘がたくさん出ています。尖っていなくても、くれぐれも上を歩いたり地面に這いつくばるときに目に刺したりしないよう注意!

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作業現場のお隣は平屋借家エリア。明後日には全て取り壊して一度更地にするそうです。中はほぼ撤去済み。

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場所によってはざっくりと撤去済み。

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タノンティアは2名。「眩しいべー?」というご主人の自慢の頭は、ライフラインの某局で働いていて忙しくて床屋に行けないのでご自身で剃ったそうです。

作業も少し早めに終わったし、今日の築山エリアは海にほど近いエリアだったし、初めての人たちばかりということもあったので海岸線沿いの被災地を巡りボランティアセンターにもどりました。

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車はけっこう早い段階で撤去されている。あんなに無数にあったのにかなり少なくなってきた。そして鉄骨やコンテナなどの大物も優先的に撤去されて行っている。

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今日の現場から僅か数十メートルも海側に行けば、ゴーストタウンのような手放された家が建ち並びます。

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冠水もひどい。

最近僕とボランティアしたひとには、できる限りサービスルートを通るように努めてます。幹線を通ってボランティアセンターへ行き現場に行くだけだと、どうしてもごく限られた状態の被災地の状況しかうかがい知ることができない。でもいろんな現場、自衛隊の重機がバリバリやってる更地に近い場所や、瓦礫の堤防、工場地帯、そして臭いや冠水などのなるべくたくさんの情報を肌で感じて持って帰って欲しい。そうすることで、その人達は被災地の現状をそれぞれの土地や身近な人に持って帰って貰えるし、楽しくボランティアできればまた人を呼んでくれたり戻ってきてくれるようなことになるのではないか、と考えているから。僕がだいぶ石巻の大まかな被災状況を把握できて、客観的に被災の違いを見れるようになったこともあるし、市内の渋滞も緩和されてきたこともある。
そして何より僕自身が全体的な復興の変化や推移を見知りたい、ということでもあります。

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と、たまに真面目に考えていることを書いて僕のイメージアップになってしまうと困るので今日はギタリストとしてお届けします。もちろん唄は名曲「タノンティアの唄」。土嚢の袋でピラミッド〜♪
夏のシーズン到来で今日からヤッケも夏色に新調してみたの。常連のチョーさんとお揃いになっちゃったので気持ち悪い。...やっぱりいまいち馴染めない。

ところでボランティアセンターで働くスタッフは全国の社会福祉協議会から派遣された人たち。僕を覚えて慣れ親しんだスタッフがいつの間にか交代で故郷に帰ってしまっていることもしばしば。なので社協の人たちは馴れたボランティアにもゼロから説明しようとしてとても要領が悪くてちょっと面倒臭い。しょうがないんだろうけれど。今日行ったら顔見知りがほとんど居なくなってた。月が替わったせいだよなー。

今日は早帰りだったのでタップリ書いたぞ。明日は雨かなー。

Posted taiga : 2011年06月01日 20:34

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