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2カイメ

バスツアー | 2011年06月06日


少し前には昨日は猛暑の予報でしたが、雲が広がり何とか作業には適した天気。

タノンティアバスツアーは満員御礼。というか現地合流の東北大生5名や午後から合流した人もいたので座席は足りないくらいです。マイクロバスは二十数名まで乗れるのですが、補助席部分には作業工具などを積まなければならなかったり、メディアテークのスタッフも同乗しなければならないので15名のみの募集です。あんまり多いと目が行き届かなかったりするのでまぁほどよい人数です。ということで今日のタノンティアは総勢27名の大所帯。記録です。

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さて今日の現場は湊地区大門の一戸建て住居、とはいっても敷地が広すぎる邸宅です。家屋内のものは全て撤去済で、床下や敷地のヘドロや庭の瓦礫の「移動」。前日入ったボランティアの人の指示によると、その瓦礫を敷地の反対側にある狭い公道側に移動しなければならないとのこと。ナゼダ???。現在瓦礫が積み上げられている庭の裏側は砂利が敷き詰めてあるほど片付いている。そこにトラックで横付けすればすぐに撤去できる。なのになぜわざわざ狭い公道側に移動しなければならないのだろうか?

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庭より臨む裏の敷地。ここにトラック付けりゃぁいいじゃん。

いろいろと話を聞いてみると、前日に瓦礫回収のトラックがきたらしいのだが、庭はヘドロで一度スタックしてしまい敷地の奥にある庭まで入れなかったとのこと。それから庭の裏側は縄張り外だから回収業者は入れない、と言っていたとのこと。

僕の見抜く限り、被災者もその現場を前に作業したボランティアも、委託業者の瓦礫回収業者の話を鵜呑みしてしまったのだろう。現在瓦礫撤去には、行政からの委託で回収業者がぐるぐると市内を流して瓦礫を見つけて積み込んでは瓦礫を置きに行っているようだ。面倒くさいことは避け、極端なことを言えば何も作業せずに一日じゅうぐるぐると市内を走っているだけでお金が貰える。復興が長引けば長引くほどオイシイ。泥でタイヤがスタックしたから撤去してもらえなかった、というけれどそこらじゅうに散らばった畳やベニヤ板を敷けば何ら作業に支障はなかったはず。業者の怠慢に過ぎない。

確かに庭のある裏手は人の敷地であったりするけれど、こんな有事の時である。小一時間そこの場所にトラックを横付けして作業すれば済むことに、数十名の人の手を使って作業しにくくなる場所へ「移動」するというのは全く持って無駄。見ると被災者も前ボラの彼も、とても人がいい。もし僕だったらそんな業者には「ゴルァ!お前らの会社名言わんかい!」とカラむところだろうけれど、純朴な彼らはそんなキャラではない。行政機関は委託業者に対して作業場所や輸送回数などを提示するような何らかの措置を取ってきちんと監視もしなければ、彼らの怠けによってさらに被災者が苦しめられることになる。

そんなこんなもあって、最初は前ボラ君のビジョンに合わせて「移動」作業をしタノンティアのみなさまには2転3転の作業内容変更や中断に翻弄させて申しわけなかったが、タノビジョンに作業変更。人数が多く敷地が広かったため、家まわりの瓦礫の撤去とヘドロ掻き、屋内の床下数十畳分のヘドロの除去、土嚢袋積みなどに分担して作業。このヘドロ量だとタノミッド建設は必至。僕が建設にかかるとそれぞれの作業への指示ができなくなる...と思っていたけれど、今日のタノンティアは現場系のアーティストKOSUGEや棟梁北條さん、初対面で東京から初参加のマッチョなK山さんなど現場仕事慣れした面々や、ベテランのタノンティア参加者たちがそれぞれの持ち場を引っ張りながら作業をやってくれて、僕に「どうしたらいいですか?」などと指示を求めてくるようなこともないような働きぶり。みんな凄いなー。

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床下は狭いのでスコップ作業ができない。瓦礫のベニアを敷いてそこに床下から一度泥を乗せ、それを袋に入れる、というスムーズな分担作業も現場仕事慣れの人たちだからこそできること。流石。

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泥掻きの体力が無い人はゴミや瓦礫を拾ったり運んだり。でも腰の曲げ伸ばしでこれもかなりの重労働にかわりない。

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タノミッドは着々と建設中。今日は土嚢袋が運ばれてくるペースが速くてしんどい。

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昼休みも休憩時間も暑さの中の作業で皆バテバテ。

今日は猛暑ではなかったけれど作業をすればみんな汗だく。水を1Lしか持ってなかった人は途中で水切れ。これからの季節は最低2リットルは必要です。
最近ボランティア筋がついてきて、仕事にも慣れているので僕は本来重労働の作業も楽。元気でハシャいでいるし比較的汗もかかずにいるので仕事してないみたいに見えてしまうなぁ。

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家の裏手もだいぶスッキリしました。

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新たに出てきた瓦礫は道路近くに分別設置。トラックに積み込むイメージをしやすくしておけば、回収業者も持って行きたくなるハズ。

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設置場所は狭い道沿いなので今日のタノミッドは高くは積まずに横に広がる台形型。隣の現場で作業してたボランティアチームも感心してくれてました。きっと次回からは真似てくれるに違いない。。依頼主の被災者も写メしてました。

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車一台通れるように考えて作っていたハズのタノミッドでしたが既にあった瓦礫を除けながら作業を続けていると出っ張ったコンクリートの基礎が出現...。軽自動車ならギリかもしれないけれど、自分の読みの甘さにちょっとガックリ。反省。

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先週に引き続き、帰りがてらにバスはちょっと被災地巡回。途中下車で見たこともない数億匹とも言えるウジ虫の山を見つけて動画撮影しましたが、ここに掲載するのはヤバ過ぎて割愛。

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メディアテークに19:30着。今日のバスツアー参加者はアート関係者以外にも多種多様で遠くは大阪からも駆けつけてくれました。前述の現場作業プロの人たちのほか、銀行マンに編集マン、埋蔵文化財関係者や保母さん、プロのミュージシャンまでも。事務所の関係で名前は明かせませんが、現在も某テレビ局で放送されているアニメの主題歌を歌っていたりします。バスの中では「タノンティアの唄」を独唱してくれました!とにかく色んな人が参加してくれてバスツアーは面白い。

ところで試しに車内販売を始めて見た「タノンティアくんバッジ」は十数個売れました。何とバスの運転手さんもご購入!運転手さんもタノンティアバスツアーを楽しんでいてくれたようです。ニヤニヤしながら運転してたものね。ちなみに経費などを除いた売上の一部は震災義援金にはなったりはしないです。ノーギャラバスツアーの僕の生活費になります。

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腹ぺこなので、行ける人だけで近くの中華屋で会食。ビールがうまい。お腹いっぱい食べて解散21時半。家に帰るまでがタノンティア、気をつけて帰りましょう。

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今日のタノンティア作業員。記念撮影のひな壇にもなるタノミッド。

Posted taiga : 2011年06月06日 11:03

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