tanonteer.taigart.com : ヒルトン


ヒルトン

2011年04月27日


昨日は久々のタノンティアカー満車です。東京からはアーティストのあきりかさんがやってきました。乗り切れず引地プラスチックさんは自車で参加だったのですが、僕の車に乗った友人のユミッペは数年前にお仕事を依頼していたことがあったらしく、タノンティアで再会。

現場はいつもと同じく港まで500メートルのエリアのお宅です。地震発生から石巻までの津波到達は30分と言われてます。もし同じ津波が起こったら逃げられるのか、という心配が常に心にある場所での作業です。携帯電話の地震速報もあてにできないし、ライフラインも未だ復旧していないので警報も鳴らないでしょう。もしどなたか地震や津波の情報を得たら即座に電話ください。

現場は水産加工場の裏手にあるご自宅。家主さんはまだ若い姉妹2人でした。お母さんは岩手に避難中、お父さんは工場を残して震災以前に他界されていたようです。お父さんの遺影が泥の中から出てきたことをすごく喜んでいました。
作業人数はタノンティア6名のほか、ボランティアセンターで捕まえてきた愛知県からレンタカーで来ている若者チーム7名の計13名。彼らは高校の同級生達で集い、大学を1週間サボって来ているそうです。家主のヒルトン姉妹を加えた15名がかりでも、もちろん作業は全て完了しません。

津波の被害による重力を無視した散らかり様は独特です。地震で倒壊の場合は後に落ちたものが上に乗っているので順番に上から撤去していけばいいのでしょうが、津波の場合は一度水中や水面で複雑に混ざりあった物が、津波が引くと同時にその絡み合った状態で置かれていくのです。まるで立体パズルのようです。そこに油を吸った泥が覆っていて、水分を含んで異常に重い布団やカーペットが折り重なっていて作業を難航させます。ところどころ手作業を要しますが、泥に混ざったガラス片は危険を伴います。昨日はそのガラス片で指を切ってしまった負傷者が出ました。傷口は小さくても衛生状況があまりにも良くないのですぐにボランティアセンターに戻って処置が必要です。
負傷者は薄手のゴム手袋(食器洗いやお掃除に使う物)を着けていましたが、ゴム手袋の役割は濡れないようにとか汚れないように、ではなくて防護の役割が大切なのでくれぐれも厚めの作業ゴム手袋をご使用ください。大きめのものを準備し、さらに中で軍手を着けていればより安全でしょう。

ヒルトン姉妹はさすがに気丈な浜のオンナといったお嬢さんたちでした。僕らが作業に入ったときには既に畳み数枚や家財を少し運び出してありました。僕ら以上に黙々と作業を続けます。家の表にある被害を受けた大きな水産加工場もこれからやって行かなければならないのでしょう。気丈とは言えオンナだらけの家族で、と思うと胸が詰まる思いです。避難の引越があるため今月は石巻に居られないとのこと。5月になったら残りの片付けでまた向かいます。

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今日のタノンティアチーム。
あきりかは長期のレジデンス仕事でこれから青森へ。その道中の参加でした。
東京から連れてきた千尋くんは大学が始まるので今日が最後で東京へ戻ります。僕の胃袋を満たしてくれた実家のお母さんの美味しいお弁当にもうありつけないと思うととても残念です。

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夕飯は久しぶり(?)にココイチのカレー。パリパリチキンカレーにチーズトッピング、並盛り300gで2辛なら1,000円越えません。全国のみなさんも是非ココイチカレーを食べてください。
みんながココイチカレーを食べる→売上→ボランティア無償カレー→被災者支援、という間接的な支援になっています。すごいよね、ココイチ。

Posted taiga : 2011年04月27日 09:42

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