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ジシュク

2011年04月03日


東京ではイベントの自粛が甚だしいようです。上野公園の花見も中止になり、夏の中央区の東京湾大華火大会も中止が決定しました。

とても残念ですが自粛といっても「気持ち」だけではなくいくつか物理的な理由もあるからでしょう。夏場の電力不足に備えることや、現在は全国の警察官が東北地方に駆り出されていて警備がままならないこと、それから簡易トイレなどもほとんどが東北地方の避難所などに来ているようです。23区内は計画停電から外されている建前、23区内での節電は区外への配慮であるかもしれません。

正直、今年は隅田川花火大会をとてもとても楽しみにしていました。今年の開催日は僕の誕生日です。まだ中止にはなっていませんが、いずれ中止の発表があるかもしれません。

西のイベントは是非盛大にやって欲しいです。なるべく自粛なんてしないで経済を動かしてくれないとこの国はもっとダメになる。少子高齢化、被災者支援、これからの若い世代には難儀がのしかかる。僕もお国のために早く子供でも作らなくちゃならないな。

今日は日中、ゴム手袋やヤッケなど買い出しに出た。本当に仙台市内は平和です。カセットコンロもガスボンベも手に入るようです。スーパーの食材は有り余るほど豊富です。東京では水が手に入らないようですが、仙台市内では手に入ります。同じ宮城県でも天国と地獄の差があります。天国に暮らす人は地獄のことを他人ごとのように考えているのではないか、とさえ感じてちょっと寂しい気持ちになります。

物事は比較論で見えてくることがあります。
東京に居るときは停電でエレベーターが止まり、インスタントラーメンや缶詰が手に入らないことを恐怖に感じました。仙台に来て、家の食器棚が倒れてぐちゃぐちゃの状態みて、ここも十分被災していると感じていました。でも気仙沼から石巻の海岸線を通りボランティアをしてそこに暮らす世界に足を入れてみると、今までの被災者意識とは雲泥の差があることに気がつく。水が出ない、電気が付かない、ガスが出ない、ガソリンが手に入らない、灯油も手に入らない、なんて不便さはあくまでも不便さであって、感覚として日常との比較でしかない。物を片付けて新たに買いそろえて厚着をして復旧を待てばいずれ元に戻る。でも海岸線の町々ではテレビや新聞では絶対に絶対にわからない絶望感を感じる。仙台市民の人たちは一日でもいいから被災地に足を運んでみるといい。ただ見るだけじゃわからないから、一度でいいからボランティアにまで関わって欲しい。そのきっかけはたとえ冷やかしの一日でもいい。一日中、思い出の詰まった品々を無残に外に放り投げながら、汚泥をかき分けても元通りとはほど遠い家を見ながら、そこで暮らしていくしかない人たちの声を聞くといい。

先日ボランティアした家のおばあちゃん。「アパートに引っ越す金無いがら、2階に二間あっから、そごさ暮らすんだぁ。避難所に行ったけんども人いっぱいで帰されたんだぁ〜。ありがどねぇ〜、ホントにありがどねぇ〜、どうやってお礼したらいいんだべぇ〜、ありがどなぁ〜」と涙をこぼしながら手を握ってくる。中古で買って10年住むこの家はもう売れもしないだろうと嘆いていた。
帰り際の記念撮影にも応えてくれた。
「化粧もしてないからぁ」という言葉に僕はとっさに「いえいえ、ガレキの中に咲く一輪の百合の花ですよ。」と。
「なんだべぇ〜はずがしいっちゃぁ〜」と、ハニカミながらようやく笑みがこぼれていました。

東日本大震災サポート情報 by 毎日新聞(交通、入浴、給水、ガソリンなど)
http://w.mainichi.jp/eq/support.html

Posted taiga : 2011年04月03日 17:38

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